維新派

維新派 [nostalgia <彼>と旅をする20世紀三部作 #1]

「箱舟の長さは300キュビト。その幅は50キュビト。その高さは30キュビト。
 箱舟に天窓を作り、上部から1キュビト以内にそれを仕上げなさい。
 また箱舟の戸口をその側面に設け、一階と二階と三階にそれを作りなさい。
 またすべての生き物、すべての肉なるものの中から、
 それぞれ二匹ずつ箱舟に連れて入り、あなたと一緒に生き残るようにしなさい。
 それらは雄と雌でなければならない。」          (旧約聖書 創世記 6章 14節 - 19節 /チラシ裏面より抜粋)


維新派を大阪で観て来た。
昨日の事なのに未だに熱に浮かされたようであり、昨日の事なのに随分前の出来事のようでもある。
ただただ圧倒された。


前から2列目に座り、圧倒的な光景が眼前に広がる。その光景を7拍子のリズムが彩る。
「1908618、1908618、1908618・・・」と繰り返されるそのリズムは確かに歌ではない。しかし音楽であった。
舞台上で交わされる日本語とポルトガル語の単語たち。それは会話では無いが、確かに台詞であった。
そしてリズムに合わせ独特の動き。それらは勿論ダンスでは無いが、確かに踊りであった。


これぞ維新派、と思う公演だった。


ここ数年、維新派はどこへ行こうというのか、正直見えない気がしていたが、「喋らない台詞、歌わない音楽、踊らない踊り」と自ら標榜するそのスタイルは洗練され、回顧され、なおかつ新たな方向へと向かおうとしている。
「<彼>と旅をする20世紀三部作」と銘打たれたこの作品が一体どこへ行くのか、この目で確かめたいと思う。