観劇と感傷

TAKE IT EASY!「まほうまっぷ−REMIX−」を観に、神戸アートビレッジセンターに行ってくる。
なんだかんだで久々のKAVCだ。前に来た時は参加者のほうだったからなぁと思いながら、会場へ向かう。

さてこの作品はチラシを一目見たときから、「これは見に行こう」と思えた作品である。
TAKE IT EASY!の宣伝美術であり、プロデューサーでもある水口美佳さんのデザインセンスは秀逸で、ともすれば文字情報が多くなりがちな演劇のチラシをうまく構成し、情報量を減らす事なく「読ませる」内容に仕上げてある。
最近パッと目に止まるチラシを手に取って見ると彼女が手掛けたものである事が多い。これって大事な事ではないかと思う。

さて話を本題に進めよう。
劇場に入ると中央にバスケットのコート。それを挟むように二手に分かれた客席。
脚本・演出が大塚雅史さんというところから、ランニングシアターダッシュの手法を使ったスポーツ芝居である事は予想されたが、実はワタクシ、恥ずかしながらTAKE IT EASY!初観劇なのである。
なのであまり普段の劇団の色を意識しないというか、先入観無しで一つの作品として観る事ができた。

ここであらすじを語るのは蛇足であろうし、脚本や役者の演技についてどうこう論じるのは評論家の方々にお任せしておこう。
ただ、一つ一つ、一人一人のエピソードが、演じる役者を通して本当の人のお話として観れた。
おそらくそれは、僕が役者たちに対して先入観を持っていなかった事も大きかったのだろうけど。

「懐かしい気持ちになった」
この作品への感想は、多分それだけで良いのだろうと思う。