河童

僕の読書の癖のひとつで、読んだ本と同じ作家の本や同じ系統の本を次々に読み進めていくというものがあるが、このところずっと妹尾河童の本を読み続けている。
「河童が語る舞台裏おもて」→「河童のスケッチブック」→「河童が覗いた「仕事場」」
と来て、今日の時点では「河童が覗いたニッポン」だ。


妹尾河童は着眼点といいデザイン能力といい、尊敬すべき舞台美術家だ。かくありたいと思う。
舞台の仕事をしているくせにそれほど舞台を見るわけではない僕だが、あと好きな舞台美術家としては朝倉摂、堀尾幸男。
この3人に揃って言えるのは精密なデザインと、ケレン味たっぷりの仕掛け、あと左右非対称の絶妙なバランス、この3点だろうと思う。
ある意味スタンダードからは外れているが、舞台美術ってそうじゃないと嘘だろう、と思うのである。


とにかく僕が舞台デザインする時はやっぱりその辺に注意する。
そして僕はシンプルイズベストとよく言われる言葉を、こと舞台においては信じないのだ。
もしかすると、僕が舞台を見に行かないのも、期待して裏切られるのがいい加減嫌だからなのかもしれない。
それなら家で本でも読んでいるよと思ってしまう。
決して舞台嫌いなんかではないはずなのだが。。。