改めて、村上春樹

また最近、村上春樹を読んでいる。と言っても短編やエッセイ。
回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)
回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)
が面白かった。作者が人から聞いた「語られたがっている話」を再構成して小説風のスケッチにしたもの。短編が10本くらい入っている。事実ならではの「結局どうなったのか」と気になっても、事実だから原因ははっきりわからない、という話が多いのがミソ。なぞの電話と嘔吐が40日間続く話なんかはその際たるもの。

ところで、この本に限らず、村上春樹の文庫本って最近版を変えて出しなおしてるんだな。本屋で表紙が微妙に違う文庫版をいくつも見たけど、あれば全部新しい版の初版になっていた。僕が読んだのは勿論、↑の古い方なんだけど
回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)
こっちは2004/10に発行で、しかもページ数が増えてる。多分活字を組み変えたからページ数が変わったんだとは思うけど、何か変わってるなら気になるところではある。
あと、ついでに気になったのは
回転木馬のデッド・ヒートRMX (ダ・ヴィンチ・ブックス)
回転木馬のデッド・ヒートRMX (ダ・ヴィンチ・ブックス)
そういえば、以前にトリビュート小説だか、リミックス小説だかが売り場にずらっと並んだ時があった。ちゃんと読まなかったけど、あれってどういう内容なんだろうか・・・。吉本ばななとかもあった気がするけど。
だいたい小説のリミックスとかトリビュートって、どういうことなんだ?言い方は横文字でかっこ良くしたけど、つまりは同人誌って事じゃないのか。自分が好きな小説を書き直してみたりするのはあくまで趣味の範囲であって、肯定されるものではないと思う。悪く言うなら公開オナニーだ。まあ、でもそれが単体で作品として成立しているならいいとは思う。○○から影響受けましたってのは、別に普通のことだと思うし。とはいうものの、こういうのって結局出版社の販売目的の企画で作られるんだろうなあ・・・。
村上春樹トリビュート小説集のサイト
http://www.mf-davinci.com/murakami/
最後にもうひとつ
あなたを、ほんとに好きだった。 (ダ・ヴィンチ・ブックス)
あなたを、ほんとに好きだった。 (ダ・ヴィンチ・ブックス)
これもノルウェイの森のトリビュート小説らしい。でもこれは↑のと違って、ちょっと面白そうではある。ノルウェイの森は一番好きな小説のひとつだし・・・読んでみようかな。