鍵屋ルパン

夜遅くにAIR大阪の玄関の鍵が壊れた。
前々から調子は悪かったのだが、鍵が抜けなくなって空回りした。
分解して外した瞬間、中のシリンダーやら細かい金属片やらがバラバラと落下する。
これはもう組立ては不可能だ。
やむを得ず鍵の110番的な業者へ連絡する。
頼むぜルパン。


到着してひとしきり作業をするルパン。
ガチャガチャガチャ・・・
結構時間がかかるルパン。
これもし外だったらかなりイライラしてんだろうなと、屋内でコーヒー飲みながらAIR住人総出で背後から見物する。
「これはー、えー、かなり厳重な鍵ですねぇ」
(ほう)
「鍵開けの仕事の時に、これがついてたら、もう、嫌になりますねぇ」
(そうなのか)
「この鍵がついてたら、大丈夫でしょう!」
(おお)
「でも破壊には弱いんで、ドリルとかで、こう、ギーンってやられたら一発ですけどねぇ」
(それはなんだってそうだろう)


そして鍵の取替えによって、前から立付けの悪い鍵の閉まりも良くなるのかと期待したが、全然改善されなかった。
「これは、えー、閉まりづらいですねぇ」
ガチャガチャガチャ・・・
「・・・あ、扉を、こう・・・ぐっと体で押すような感じで締めたら、えー、スムーズに閉まりますねぇ」
(それは前からそうなのだ)


その後、ルパンは次の仕事に去っていった。
なんでもマンションのエレベータの隙間に鍵を落としたのだとか。
「かける言葉も無いですねぇ」