改訂版のその後

クラバート 発行年月:1984(サイズ:四六判 / 349p)
クラバート 改訂 発行年月:1999.12(サイズ:四六判 / 383p)
調べたところ、改訂版はページ数も違うことが判明した。これはもしかすると、だいぶ変更が加わっているのか!?
これ以上は調べても情報もなく、どうしても気になったので直接出版社である偕成社に電話をかけて問い合わせてみる。編集部のマツクラさんという女性の方が対応してくださり、細かい質問だったにも関わらず10分ほどで調べてかけなおして下さった。
その結果、ほとんどの疑問が解消された。以下、説明してくださった内容を初版→現在の時系列に従って記述。

「1980年の初版の時は、アメリカ版原書の表紙で出版されており、青い水車場が中央に描かれている表紙である」
「1983年に表紙を偕成社の方で編集したものに変更した。これが今も表紙になっているカラスになったクラバートのアップのものである」
「1986.3に、昔の出版物は文字が痛んで読みづらくなってきたので、コンピューター処理して組み替えた。ここでページ数が349p→383pに変わった。ただし、ここでは内容については一切手を加えていない」
「2002年に差別用語の規制が厳しくなってきたので、翻訳者である中村浩三先生と相談した末、10箇所ほど言葉を変更した。変更箇所は多いので全てを説明することはできないが、例えば"きちがい沙汰だ"→きちがいは今は使いづらい表現なので、"おかしいとしか思えない"等に。兵隊の罵りの言葉などは全て変更はできないのだが一部は変更した。"弁髪頭の猿どもめ"→中国に対する差別にあたるため、"偉そうにしおって"等に。"つんぼ""めくら"→今は使えない表現なので変更。等である。
またこの変更の際に同時に、ドイツが統合された後もあとがきで国名が"東ドイツ"等となっていたのを"ドイツ東部"等の表現に改めた」
「2003.11のものが今、一番新しい刷のものである。ただ、この8月末に26刷が重版される予定である」

以上。話して下さった内容を年代順に並べ替えたので、箇条書きに近くなってしまいましたが、実際にはとても丁寧にこちらの質問に答えていただけました。突然の電話、突然の細かい質問にこれだけの対応をしていただけて、本当に感謝しています。ありがとうございました。
私が幼い頃に読んだ図書館のものは初版のクラバートだったことも判明したし、さて・・・差別表現が変わったという改訂版・・・これは一度読んでみなくちゃいけませんなあ。